塩竈フォトフェスティバル

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平間至 ロングインタビュー <1>

日本最大級のポートフォリオレビューのほか、瀧本幹也や三好耕三の写真展、広川泰士によるワークショップなどが行われ好評を博した塩竈フォトフェスティバル2008。2回目の開催を今年9月に控え、慌ただしく準備に追われる同フェス実行委員会会長の写真家・平間至さんに、今回のみどころを聞いてみた。


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塩竈と写真への思い

——— 2008年の第1回につづき、いよいよ塩竈フォトフェスティバル‘09が開催されますが、その主旨を簡単に伺えますでしょうか?

平間 じつを言えば、1回目も2回目も理由は大きく変わってないんですよ。僕はふだん東京で写真の仕事をしながら生活していますけど、なんとなく写真やアートみたいな文化的な活動って、東京以外ではできないものだと勝手に思い込んでいました。
 それが、ちょうど10年前ぐらいに故郷である宮城県塩竈市に「ふれあいエスプ塩竈」という施設ができて、その担当者の方とお話をする機会があったんですね。そこではじめて地元にガロの初代編集長である長井勝一さんの美術館(長井勝一漫画美術館)があるということを知ったんですが、そんな面白い場所があるのなら、ひょっとしたら自分にも何かできるんじゃないかと思ったのが最初のきっかけです。
 それ以来、展覧会をやったり、塩竈の人たちをモデルに撮影したりっていうことを断続的に続けてきました。ある意味その10年間の集大成が塩竈フォトフェスティバルでもあるわけです。自分の写真表現を通して塩竈の良さをみんなに知ってもらいたいというのが大きな理由のひとつめですね。

——— ではふたつめの理由というのは?

平間 仕事でもプライペートでも僕は本当に毎日写真に関わってますが、まったく飽きないんですよ(笑)。どんどん写真が好きになってる。去年から京都造形大学で写真を教えていることも影響しているのかもしれないんですが、若い人だけじゃなくって幅広い世代の人に写真の面白さ、楽しさを伝えたい。これがふたつめです。


写真に命をかける

——— コマーシャルな領域にいる写真家が自分の作品を発表するというのは決して珍しくないですが、これだけ大きな規模のフォトフェスティバルを運営しようという人はあまりいないように思います。それを平間さんがあえて行うのはなぜでしょうか。

平間 んー、自分の使命と言ってよいと思うんだけど、写真文化、写真を通した社会貢献をしなければという使命をすごく感じている部分があって、だから自分の作品を撮って「はい終わり!」という気持ちには僕はなれないんです。
 ちょっと極論に聞こえるかもだけど、戦争中にたくさんの人たちが亡くなってますよね。で、例えばそれを現代にあてはめて見た時に、僕はいま港区に住んでるんですが「港区のために死ねるか?」って聞かれたとすると…まあ死ねないですよね(笑)。もっと大きい範囲で言うと「東京のために死ねるか?」…これもやっぱり死ねないなーと思う。でもそれが塩竈だと考えると、それなりに考える余地は生まれてくるんですよ…言葉にしちゃうとちょっと微妙ですけど。
 
——— でもその感覚は分かります。

平間 ふるさとって、たぶん自分自身そのものでもあるわけですよ。畑に大根やトマトがなるように人が生まれてくるわけで、その土地の記憶だったり土そのものがかたちを変えて成長する、人間もそういう部分があると思う。だから僕にとっては自分の原型である塩竈を大切にしたい。そこを大事にしたい。

——— 平間さんの場合はそれが写真でもあるということですか?

平間 そうですね。自分は写真と塩竈で形成された人間だと思っているから。だから同じように写真のためだったら「命をかけてもいいかも」という余地はある。でも表現っていうものは、そうでなくてはならない。
 命をかけられるものでなかったら、やっぱり人は感動してくれないですよ。


参加者の熱気に驚く

——— その意味でいうと、前回のポートフォリオ・レビュー参加者の作品はそんな「熱さ」を感じさせるものが多かったように思います。前回はかなり若い年齢層、それも作家的な志向の強い作品が揃いましたが、どんな印象を持ちましたか?

平間 まず、一回目で告知もきちんとできていないにも関わらず、応募数も多く、クオリティが高かったことにも驚きました。
 でもそれ以上にビックリしたのは、一時審査を通って実際にポートフォリオレビューに参加してくれた人たちが、全員塩竈まで来てくれたこと。40人もいれば、ひとりふたり参加できないっていうのが普通だと思うけど、本当に全員が参加してくれた。それも日本中から集まってくれた。これは本当に嬉しかったですね。

——— しかも交通費や宿泊費は自腹ですからね。

平間 そうですよ!聞いたことのない東北の田舎町まで来てくれたっていう、そのやる気が嬉しかったし、塩竈フォトフェスティバルが期待されているんだな、という実感がありましたね。
 それとやっぱり会場の熱さ!「熱い」っていう言葉とはちょっと違うな…静かなんだけど熱く燃えているような感じかな。
 参加者、レビュアー、それに見にきてくれた来場者、その全員が対等だったのが良かった。どうしても見る側は上から目線になってしまいがちだけど、それがまったくなかった。写真を通してみんな対等にやりあっているっていう雰囲気が、とても良かったですね。

——— では、そういうイベントが塩竈でできたことへの達成感がすごくあったんじゃないですか?

平間 それが達成感はわりと薄くて、僕は性格的になにをやっても達成感は感じない人なんですが(笑)、のべ8000人集まってくれたことは単純に嬉しかった。
 だから二回目の今年はもっと慎重にやらないと、って思っています。1回目ってやっぱり乱暴なところがあるでしょう。それがエネルギーの源でもあるんだろうけど、2回目ですから今回はもっと慎重にやりたいです。

——— 今回は前回と比べてもイベント、展覧会が盛りだくさんですね。

平間 そうですね。ポートフォリオ・レビューはもちろんですけど、今回の塩竈撮り下ろし企画には森本美絵さんと笠井爾示さんが参加してくださいますし、アンセル・アダムスの写真展も開催します。他にもワークショップや誰でも参加できる『“PHOTO IS” 10,000人の写真展』などなど……ほんとに企画も前回以上に充実しています。
 
——— 前回グランプリを受賞した藤安淳さんの個展も予定されていますし、1回目を消化したうえでの2回目という感じですね。

平間 もちろんそのぶん大変さはすごく増しているんですが(笑)。でも前回参加してくれた人たちが、その後もつながりを持っていて、定期的に集まったりしているみたいな話を聞くと、みんな心のどこかで塩竈フォトフェスティバルを特別な想い出に思ってくれているのかなーと思ったりもします。
 だから今回はそういう特別な感覚をどれだけ多くの人たちに共有してもらえるかですね。

——— それでは、ずばり第二回の目標は?

平間 目標ですか!!!(笑)
 うーん。とにかく来てくれた人に、いろんな意味で満足してもらいたいですね。今まで以上に写真と塩竈を好きになって帰ってもらいたいです。


<2>につづく

執筆者プロフィール:
島貫泰介
美術ライター&編集者。武蔵野美術大学映像学科写真ゼミ卒業。カメラマンアシスタントなどを経て、現在雑誌「美術手帖」にて展覧会情報冊子「ART NAVI」などを担当。
ブログ http://d.hatena.ne.jp/nukisuke/

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